ホン

曖昧さ回避 ホン」のその他の用法については「ホン (曖昧さ回避)」をご覧ください。
フォン(ラウドネスレベル)と音圧レベルを表すデシベル (dB) との関係(等ラウドネス曲線)

フォン (phon) あるいはホンホーンは、ラウドネス(音の聴覚的な強さ)のレベルの単位である。1997年9月30日までは、計量法における法定計量単位であった(計量法に基づく計量単位一覧#廃止された法定計量単位)。それ以降は、非法定計量単位となっており、取引・証明に用いることはできない。

基準音圧を20μPaとした音圧レベルデシベル (dB) 値を周波数ごとに補正した値であり、

  • 1000ヘルツの純音に対しては音圧レベルのデシベル値に等しい。
  • 同じ音圧でも周波数によって聴覚的な聞こえ方が異なるので、同じデシベル値を示す音圧レベルでも周波数が違えば異なる値を示す。

という特徴を持つ。

なお、過去には「ホン」が騒音レベルの単位として使われていたことから、時に混同されるが、ラウドネスレベルの「フォン」と騒音レベルの「ホン」は下記のように異なる定義を持つ物理量である。

ラウドネスレベル

1000ヘルツの純音のフォンは、その音圧レベルを表すdBに等しい。これ以外の周波数のフォン値は、同じラウドネスに聞こえる1000ヘルツの純音のデシベル値に等しい。したがって、同じフォンの音は(個人差等もあるがほぼ)同じ大きさに聞こえる。

音圧レベルのdB値とフォンの関係は等ラウドネス曲線に一致するはずだが、実際には測定条件や個人差などの違いにより、研究者ごとに異なる等ラウドネス曲線が導き出されている。フォンの算出には、ISO 226:2003で規格化された等ラウドネス曲線を使う。

なお、等ラウドネス曲線が等間隔でないため、同じ周波数で音圧が1dB増えてもラウドネスレベルが1フォン増えるとは限らない。

ラウドネス「レベル」ではない、ラウドネスの単位にソーンがある。フォンとソーンには「フォン ÷ 10 - 4 = log2ソーン」の関係がある。ラウドネスはISO532で規格化されている。

騒音レベル

騒音レベルは、周波数ごとに定められた特性値を音圧レベルのdBに足して得られる。音圧で考えれば、周波数ごとに定められた値を掛けていることになる。

騒音レベルは騒音計で測定される。通常、レベル化する際には時間的に平滑化するために時間重み特性をかける

特性には、IEC 61672:2003で規格化されたA特性(または周波数重み付けA)、B特性(ほとんど使わない)、C特性があり、それらを使って得られた騒音レベルは、かつてはホン(A)、ホン(B)、ホン(C)で表された。ただしこの意味でのホンは、計量法により1997年平成9年)9月30日で廃止され、現在は単にデシベル(dB)を使う。

かつてはA特性であることを明示する場合にdB(A)、dBAなどと書いていたが、現在は単にdBとだけ書く。なぜならば、ISOJISのJIS Z8203[1]では、単位記号 (dB) に余計な記号を付けることは推奨されないからである。

騒音は多数の周波数の音が混合しているため、実際の測定では、騒音を周波数分解して、それぞれの周波数ごとの音圧に特性のデシベルを比に換算した値を掛け、それらを足し合わせてデシベルに換算する。

なお、騒音レベルは聴覚補正はされているが、電気回路化が容易であるように、特性が実際の等ラウドネス曲線より単純な曲線であることと、デシベルでの単なる加減算であることから、ラウドネスレベルとはあまり一致せず、同じデシベル値を持つ騒音レベルでも、周波数の違いにより同じ大きさに聞こえるとは限らない。また、単なる加減算であるため、同じ周波数なら音圧が1dB増えれば騒音レベルも1dB増える。

脚注

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  1. ^ 日本産業標準調査会:データベース-廃止JIS規格リスト Z8203

関連項目

公害
典型七公害
騒音
規制法
その他
水質汚濁
規制法
大気汚染
規制法
その他
地盤沈下
規制法
土壌汚染
規制法
振動
規制法
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