行政庁 (バチカン)

バチカンの旗 バチカン行政機関
行政庁
Governatorato dello Stato della Città del Vaticano
政庁
政庁
役職
行政庁長官[注 1] フェルナンド・ベリゲス・アルザガ(英語版)
行政事務局長 ラファエラ・ペトリーニ(英語版)[1]
組織
上部組織 ローマ教皇庁
執行機関 バチカン市国委員会
概要
所在地 バチカン市国、政庁00120番地
設置 1939年3月20日
ウェブサイト
市国委員会サイト
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行政庁(ぎょうせいちょう、イタリア語: Governatorato dello Stato della Città del Vaticano)は、バチカン市国の最高行政機関。教皇の名の下で行政権を行使する[2]。全ての行政庁長官は全て枢機卿である[3][4]

概要

行政庁長官の前身となるバチカン市国知事職は1929年のラテラノ条約によって創設され、カミッロ・セラフィーニ侯爵は自身が亡くなる1952年まで知事職を保持していた。すでに1939年にバチカン市国委員会を設置しており、基本法を改正することなく、既に教皇の名において、行政府を統括する任務を負っていたため、知事の地位は1990年まで空席のままであった。1990年の廃止以降は委員長が事務総長の補佐を受けて行政権を行使するようになった。サン・ピエトロ大聖堂などの整備や文化財の保全は、芸術保護常設委員会を通じて、長官が監督する[5]

附属機関
  • 治安・国民保護総局: 治安管理及び国民情報の調整を行う。主に憲兵隊(英語版)の司令官が管理責任を負う。
  • 法務局: 文学的財産および産業財産の登録簿の管理、登録された公的文書の確証の実施。
  • 人事局: 政府機関による市国職員の管理を支援し、求められた意見を表明した上で関連する提案を作成する。外部労働者の使用の必要性と適切性を検証
  • 保健衛生局: 市国民の健康管理を含む公衆衛生と衛生の保護を行う。国内唯一の薬局であるバチカン薬局(英語版)は保健衛生局の監督の下で、医薬品の供給を行っている。

一覧

行政庁長官

1990年以降は市国委員会委員長が兼任することとなっている。

委員長 氏名
(生没年)
在任期間 教皇
1 ニコラ・カナーリ
(1874–1961)
1939年3月20日
- 1961年8月3日
ピウス12世
ヨハネ23世
暫定 アルベルト・ディ・ジョリオ
(1884–1979)
1961年8月14日
- 1968年11月4日
パウロ6世
暫定 セルジオ・ゲッリ
(1884–1979)
1968年11月4日
- 1981年9月26日
ヨハネ・パウロ1世
2 ホセ・ロサリヨ・ カスティリョ・ララ
(1922–2007)
1990年10月31日
- 1997年10月14日
3 エドムンド・カシミール・ショーカ
(1927–2014)
1997年10月14日
- 2006年9月15日
4 ジョヴァンニ・ラヨロ[6]
(1935–)
2006年9月15日
- 2011年10月1日
ベネディクト16世
5 ジュゼッペ・ベルテッロ[7]
(1942–)
2011年10月1日
- 2021年10月1日
6 フェルナンド・ベルゲス・アルザガ 2021年10月1日
- (現職)
フランシスコ

行政事務局長

バチカンの行政府を代表する第2位の官職である。

  • ブルーノ・ベルターニャ(英語版)(1990年-1994年)
  • ジャンニ・ダンジ(英語版)(1994年-2005年)
  • レナート・ボッカルド(英語版)(2005年-2009年)
  • カルロ・マリア・ビガノ(2009年-2011年)
  • ジュゼッペ・シャッカ(英語版)(2011年-2013年)
  • フェルナンド・ベリゲス・アルザガ(英語版)(2013年-2021年)
  • ラファエラ・ペトリーニ(英語版)[注 2](2021年-現職)

脚注・出典

[脚注の使い方]
脚注
  1. ^ 市国委員会委員長が行政庁長官を兼任。
  2. ^ 女性初の行政事務総長。
出典
  1. ^ “教皇、バチカン行政責任者に初の女性任命”. 東亜日報. 2023年1月2日閲覧。
  2. ^ “Informazioni generali sulla Santa Sede e Stato della Città del Vaticano” (イタリア語). 2024年1月2日閲覧。
  3. ^ [1]
  4. ^ バチカン基礎データ - 外務省
  5. ^ [2]
  6. ^ 人事: バチカン市国行政庁長官ショーカ枢機卿、9月引退、後任にラヨロ大司教 - バチカン放送局
  7. ^ 教皇、新バチカン市国委員会議長・バチカン市国政庁長官を任命 - カトリック中央協議会