芸文類聚

芸文類聚』(げいもんるいじゅう)は、中国代初期に成立した類書である。武徳7年(624年)、欧陽詢らが、高祖の勅を奉じて撰した。100巻。隋代の『北堂書鈔』、唐代の『初学記』、『白氏六帖』と共に「四大類書」と称せられる。

概要

現存する中国の類書としては、古いものの一つである。唐代以前の詩文や歌賦等の文学作品を大量に保存しており、すでに亡失して伝わらない典拠によるものも多い。

本書は46部に分類されており、部ごとにまた子目727を列ねている。分類の編次は、故事を先に置き、すべて出処を注している。また、引用の詩文は、すべて時代を注している。その他の類書と比較して、本書の文献の輯集方法上の最大の特色は、「事」(事実)と「文」(詩文)の両条を併記して一条とし、類書の通例の体制を変更している点である。

内容

  • 天   巻1-2
  • 歳時  巻3-5
  • 地   巻6
  • 州   巻6
  • 山   巻7-8
  • 水   巻8-9
  • 符命  巻10
  • 帝王  巻11-14
  • 后妃  巻15
  • 儲宮  巻16
  • 人   巻17-37
  • 礼   巻38-40
  • 楽   巻41-44
  • 職官  巻45-50
  • 封爵  巻51

  • 治政  巻52-53
  • 刑法  巻54
  • 雑文  巻55-58
  • 武   巻59
  • 軍器  巻60
  • 居処  巻61-64
  • 産業  巻65-66
  • 衣冠  巻67
  • 儀飾  巻68
  • 服飾  巻69-70
  • 舟車  巻71
  • 食物  巻72
  • 雑器物 巻73
  • 巧芸  巻74
  • 方術  巻75

  • 内典  巻76-77
  • 霊異  巻78-79
  • 火   巻80
  • 薬香草 巻81-82
  • 宝玉  巻83-84
  • 百穀  巻85
  • 布帛  巻85
  • 果   巻86-87
  • 木   巻88-89
  • 鳥   巻90-92
  • 獣   巻93-95
  • 鱗介  巻96-97
  • 虫豸  巻97
  • 祥異  巻98-99
  • 災異  巻100

参考文献

中国語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。
藝文類聚
  • 大渕貴之「唐創業期の「類書」概念:『芸文類聚』と『群書治要』を手がかりとして」(『中国文学論集』35、2006年)[1]
  • 中島和歌子「『枕草子』「は」型類聚章段と和漢の類書の部類標題との比較・対照:三巻本・前田家本と『芸文類聚』『倭名類聚抄』を中心に」(『和漢古典学のオントロジモデルの構築』、2006年)
  • 木島史雄「『芸文類聚』:文学者のための、そして完本がのこる最古の類書」(『月刊しにか』9-3、1998年)
  • 勝村哲也「芸文類聚の条文構成と六朝目録との関連性について」(『東方学報(京都)』62、1990年)