暫定制御モジュール

暫定制御モジュール(左下のモジュール)

暫定制御モジュール (Interim Control Module、ICM) は、国際宇宙ステーション (ISS) のズヴェズダモジュールが壊れたり、予定の打上げ期間内に打上げられなかった場合に備えて、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が製造した暫定的な「タグ」の役割を果たすモジュールである。偵察衛星を異なる軌道に配置させるのに用いられたTLD (Titan Launch Dispenser) を基にしたものである。「ズヴェズダ」(サービスモジュール) の推進系と同等の能力を与えることで、ザーリャの寿命を延ばすことを目的として準備されていた。

1997年、NASAはアメリカ海軍研究所 (NRL) に対し、既存の宇宙船を改良し、ISS用に低コストで緊急用に使える推進機能を持つ宇宙船の実現可能性について研究することを依頼した。

NASAの要求するスケジュール内に実現しうることが分かると、NRLは正式に開発の推進を委託された。その当初から、暫定制御モジュールは、ロシアのサービスモジュールの打上げが延期となった場合でもスケジュール通りにISSの組み立て作業が行えるように、ISSの姿勢制御とリブースト(高度引き上げ)能力を確保するための緊急時の予備計画として準備された。

暫定制御モジュール (ICM) はスペースシャトルで打ち上げて、ザーリャに取り付けられた後、1年から3年間運用するのに必要な燃料を供給することになっていた。ICMは、現在はワシントンD.C.にあるNRLのペイロード組立施設で、将来のISSミッションで必要になった時のために保管されている。NRLでは、ICMの代替利用法についての検討も行っている。

出典

  • “NRL Revamping Control Module for NASA Space Station”. NRL (1997年6月). 2011年1月5日閲覧。
  • “ICM - Interim Control Module”. NRL. 2007年2月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年1月5日閲覧。
概要
構成要素
  • ザーリャ(基本機能モジュール)(FGB)
  • ズヴェズダ(サービスモジュール)
  • ユニティ(ノード1)
  • ハーモニー(ノード2)
  • トランクウィリティー(ノード3)
  • デスティニー(実験用)(USLab)
  • コロンバス(実験用)
  • きぼう (PM, ELM-PS, EF)
  • クエスト(エアロック)
  • ラスヴェット (MRM 1)
  • ポイスク (MRM 2)
  • レオナルド (PMM)
  • キューポラ
  • 統合トラス構造 (ITS)
  • ナウカ(多目的実験モジュール)(MLM)
  • 欧州ロボットアーム (ERA)
  • プリチャル
支援機材
  • カナダアーム2 (MSS/SSRMS)
  • デクスター (SPDM)
  • ストレラ・クレーン
  • きぼう(ロボットアーム)
  • 船外保管プラットフォーム (ESP)
  • エクスプレス補給キャリア (ELC)
  • 与圧結合アダプタ (PMA)
  • 電気系統(英語版)
  • 生命維持システム
複数回使用
  • 多目的補給モジュール (MPLMs)
  • きぼう (ELM-ES)
  • ピアース(エアロック / ドッキングモジュール)(DC-1)
キャンセル
  • 推進モジュール
  • セントリフュージ実験モジュール (CAM)
  • 居住モジュール
  • 乗員帰還機 (CRV/ACRV)
  • 汎用ドッキングモジュール (UDM)
  • ロシア研究モジュール (RM)
  • 暫定制御モジュール (ICM)
  • ロシアのノードモジュール (NM)
  • 科学電力モジュール (SPM)
  • ノード4
補給機
現行
予定
過去
  • カテゴリ Category:国際宇宙ステーション
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