ハッピー・ジャック

曖昧さ回避 この項目では、ザ・フーの曲について説明しています。日本の音楽イベントについては「HAPPY JACK」をご覧ください。
ハッピー・ジャック
ザ・フーシングル
B面 寂しい別れ(UK)
ウイスキー・マン(US)
リリース
規格 7インチ・シングル
録音 1966年10月-11月 ロンドンCBSスタジオ[2]
ジャンル ロック
時間
レーベル リアクション・レコード(UK)
デッカ・レコード(US)
ポリドール(EU)
作詞・作曲 ピート・タウンゼント
プロデュース キット・ランバート
チャート最高順位
  • 3位(イギリス[3]
  • 24位(アメリカ[4]
ザ・フー シングル 年表
ラ・ラ・ラ・ライズ
(1966年)
ハッピー・ジャック
(1966年)
リリーのおもかげ
(1967年)
ミュージックビデオ
「Happy Jack」 - YouTube
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ハッピー・ジャック」(Happy Jack)は、イギリスロックバンドザ・フーの楽曲。1966年にシングルリリースされた。作詞・作曲はピート・タウンゼント

解説

純粋な新曲としては同年8月リリースの「アイム・ア・ボーイ」以来となる。2ndアルバム『ア・クイック・ワン』と同時発売された。イギリスではオリジナル・アルバム未収録であるが、アメリカではアルバム『ハッピー・ジャック』(「ア・クイック・ワン」の米国盤)に収録されている。アメリカでは4人の似顔絵をあしらったピクチャー・スリーヴに入れられて発売された[5]

アメリカで初めてチャートのトップ30に入った作品で、イギリスでも3位につけるヒットとなった。童謡のような親しみやすい曲調で、曲の全編にわたりロジャー・ダルトリージョン・エントウィッスル、タウンゼントの3人で歌っている。キース・ムーンは歌唱に難があったため参加していないが、何とかして自分も歌わせてもらおうとボーカルブースに近寄ろうとしていた。曲の終わりにタウンゼントが”I saw ya!(見つけたぞ!)”と叫んでいるのはそのためである[2]。歌詞は、タウンゼントが幼少の頃に父と訪れたマン島で見かけた変わった人々について書いたものである[6]。この曲のステレオ・バージョンは存在しない[7]

シングルB面に収録された「寂しい別れ」(UK版)と「ウイスキー・マン」(US版)は、いずれもジョン・エントウィッスルによるナンバーで、歌詞は「寂しい別れ」は冤罪で服役していた男の独白、「ウイスキー・マン」は重度のアルコール中毒者の幻覚をそれぞれ歌ったものであり、エントウィッスルらしいブラックユーモアに富んだ内容である。

別バージョン

1988年に発表されたベストアルバム『フーズ・ベター・フーズ・ベスト』にはこの曲の別ミックス・バージョンが収録されている。このバージョンは後半のドラムスがオリジナルと異なっている。1995年に発表された『ア・クイック・ワン』リマスター/リミックスCDには、1966年10月30日に録音された初期バージョンが収録されている。初期バージョンはアコースティックギターを主体にした演奏で、ドラムスの代わりにコンガを使用、さらにタウンゼントが弾くチェロを加えたアコースティック・バージョンである[8]

ミュージック・ビデオ

本作にはミュージック・ビデオが製作されている。映像はモノクロで、メンバー4人が泥棒に扮し、コミカルな演技を披露している。楽器を演奏しているシーンが一つも挿入されていないのは、彼らのプロモーションビデオではこれが初めてだった。撮影は1966年12月19日、監督はビートルズの『レット・イット・ビー』や、ザ・フーも参加した『ロックンロール・サーカス』で有名なマイケル・リンゼイ=ホッグが務めた[9]。この映像はザ・フーのドキュメンタリー映画キッズ・アー・オールライト』(1979年)にも収められている。

脚注

  1. ^ a b 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、325頁。
  2. ^ a b 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、127頁。
  3. ^ WHO | Artist | Official Charts
  4. ^ The Who - Awards : AllMusic
  5. ^ レコード・コレクターズ増刊『ザ・フー アルティミット・ガイド』(2004年)15頁
  6. ^ エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、104頁。
  7. ^ CD『ア・クイック・ワン』コレクターズ・エディション(2012年)の犬伏功による解説より。
  8. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、127頁。
  9. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年、129頁。
ロジャー・ダルトリー - ピート・タウンゼント
ダグ・サンダム - ジョン・エントウィッスル - キース・ムーン - ケニー・ジョーンズ
ツアー・メンバー

ジョン “ラビット” バンドリック - ザック・スターキー - サイモン・タウンゼント - ピノ・パラディーノ

スタジオ・アルバム
ライヴ・アルバム

ライヴ・アット・リーズ - フーズ・ラスト - ジョイン・トゥゲザー - ワイト島ライヴ1970 - BBCセッションズ - ライヴ・アット・フィルモア・イースト1968

コンピレーション

マジック・バス〜ザ・フー・オン・ツアー - ダイレクト・ヒッツ - ミーティ・ビーティ・ビッグ・アンド・バウンシィ - オッズ&ソッズ - キッズ・アー・オールライト (サウンドトラック) - フーズ・ミッシング - トゥーズ・ミッシング - Thirty Years of Maximum R&B - ゼン・アンド・ナウ

EP

レディ・ステディ・フー - ワイアー・アンド・グラス

主な楽曲
映画・映像作品

キッズ・アー・オールライト - Thirty Years of Maximum R&B Live - ワイト島ライヴ1970 - ザ・フー:ライヴ・アット・キルバーン - ザ・フー:アメイジング・ジャーニー - Tommy & Quadrophenia Live With Special Guest - Quadrophenia Live In London - The Who & Special Guests - Live At The Royal Albert Hall - Who's Better, Who's Best - Live in Boston

関連アルバム

トミー (ロンドン交響楽団) - トミー (オリジナル・サウンドトラック) - さらば青春の光 (サウンドトラック) - サブスティテュート〜ザ・ソングス・オブ・ザ・フー

関連映画・映像作品

モンタレー・ポップ フェスティバル'67 - ロックンロール・サーカス - ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間 - ワイト島1970-輝かしきロックの残像 - トミー - さらば青春の光 - ランバート・アンド・スタンプ

関連項目

モッズ - トラック・レコード - ロック・オペラ - The Who's Tommy - Teenage Cancer Trust

関連人物

ピーター・ミーデン - キット・ランバート - クリス・スタンプ - シェル・タルミー - ジョン・"スピーディ"・キーン - メヘル・バーバー - グリン・ジョンズ - ビル・カービシュリー - ロバート・スティグウッド

関連バンド
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