トリヨードチロニン

曖昧さ回避 この項目では、生体物質としてのトリヨードチロニンについて説明しています。医薬品としてのL-トリヨードチロニンについては「リオチロニン」をご覧ください。
トリヨードチロニン
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(2S)-2-amino-3- [4-(4-hydroxy-3-iodo-phenoxy)- 3,5-diiodo-phenyl]propanoic acid

別称
triiodothyronine
T3
3,3',5-triiodo-L-thyronine
識別情報
CAS登録番号 6893-02-3 チェック
ChemSpider 5707 チェック
UNII 06LU7C9H1V チェック
KEGG C02465
ChEMBL CHEMBL1544 チェック
  • c1cc(c(cc1Oc2c(cc(cc2I)C[C@@H](C(=O)O)N)I)I)O
  • Key: AUYYCJSJGJYCDS-LBPRGKRZSA-N チェック
  • InChI=1/C15H12I3NO4/c16-9-6-8(1-2-13(9)20)23-14-10(17)3-7(4-11(14)18)5-12(19)15(21)22/h1-4,6,12,20H,5,19H2,(H,21,22)/t12-/m0/s1
    Key: AUYYCJSJGJYCDS-LBPRGKRZBY
特性
化学式 C15H12I3NO4
モル質量 650.9776 g mol−1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

トリヨードチロニンまたはトリヨードサイロニン[1](Triiodothyronine, TIT)は甲状腺ホルモンの一種である。T3とも言われる。

甲状腺刺激ホルモン(TSH)はチロキシン(T4)とトリヨードチロニンの生産を促す。視床下部では、T4はT3変換され、TSHは主にT3によって阻害される(負のフィードバック)。甲状腺はT3よりもT4を多く生産するため、血漿中でのT4の濃度はT3の濃度より40倍も高くなる。体内を循環するT3の大部分はこうしてT4の5位の炭素が脱ヨード化されたものである。

トリヨードチロニンの構造はチロキシンと類似しているが、1分子あたりヨウ素原子が1つだけ少ない。さらに、T3は活性が強く少量しか生産されない。

T3は最も強力な甲状腺ホルモンで、体温成長心拍数などを含めた体内のほぼ全ての過程に関与している。

生産

濾胞腔で、チロシン残基はヨード化を受ける。この反応には過酸化水素が必要である。ヨウ素の有機化の過程で、チログロブリンのチロシン残基の3位と5位の炭素にヨードが結合し、モノヨードチロシン(MIT)、ジヨードチロシン(DIT)が形成される。MIT1つととDIT1つがペルオキシダーゼにより重合して、T3を形成する。

反応

脚注

  1. ^ “KEGG COMPOUND: C02465”. www.genome.jp. 2021年9月21日閲覧。
視床下部 - 脳下垂体
視床下部

GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH

脳下垂体後葉
脳下垂体中葉
脳下垂体前葉

性腺刺激ホルモン - αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMCACTH - エンドルフィン - リポトロピン

副腎
副腎髄質
副腎皮質
甲状腺
甲状腺
副甲状腺
生殖腺
精巣
卵巣
その他の内分泌器
膵臓

グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン - 膵ポリペプチド(英語版)

松果体
内分泌器でない器官
誘導タンパク質

NGF - BDNF - NT-3