スタンド・オフ・ミサイル

スタンド・オフ・ミサイル英語: standoff missile)とは、敵の対空ミサイルの射程外から発射が可能なミサイルのことである[1]。通常、攻撃作戦において陸上や海上の目標に対して使用される。

スタンドオフとは「離れている」との意であり、ミサイルを発射する航空機や艦艇、車両などが、敵の防空システムから離れた安全な場所で攻撃可能なことに由来する[2][3]

スタンド・オフ・ミサイルの一覧

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国

インドの旗 インド

  • DRDO SAAW(英語版)
  • Rudram-1(英語版)
  • Nirbhay(英語版)

インドの旗 インド/ロシアの旗 ロシア(共同開発)

パキスタンの旗 パキスタン

  • バーブル
  • H-2 SOW(英語版)
  • H-4 SOW(英語版)
  • ラード マーク1
  • ラード マーク2
  • Takbir(英語版)
  • Barq(英語版)
  • バーブル-1
  • バーブル-1A
  • バーブル-2
  • バーブル-3
  • GIDS REK(英語版)

イギリスの旗 イギリス

  • ブルースチール

フランスの旗 フランス

  • ASMP(空中発射核巡航ミサイル)

イギリスの旗 イギリス/フランスの旗 フランス(共同開発)

南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国

  • Umbani(英語版)

 ノルウェー

ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦

  • ラドゥガ Kh-20
  • ラドゥガ Kh-22
  • ラドゥガ KSR-5
  • ラドゥガ Kh-55
  • ラドゥガ Kh-15

トルコの旗 トルコ

  • SOM ミサイル(英語版)

 スウェーデン

中華人民共和国の旗 中国

  • YJ-18

日本における運用

2020年12月18日、政府は新たなミサイル防衛システムの整備に関する閣議決定で、スタンド・オフ・ミサイルを開発することを正式表明[4]。車両や艦艇、航空機といった多様なプラットフォームからの運用を前提とした12式地対艦誘導弾能力向上型の開発を行うとした[4]。導入理由については「厳しい安全保障環境を踏まえ、諸外国の航空能力の進展が著しい中、自衛隊機が相手の脅威の圏外から対処できるようにすることで、自衛隊員の安全を確保しつつ、我が国を有効に防衛するため」としている[5]

2022年12月16日に閣議決定された防衛力整備計画でスタンドオフ防衛能力を強化することが明記された[6]12式地対艦誘導弾能力向上型島嶼防衛用高速滑空弾及び極超音速誘導弾の開発、トマホークの導入を実施・継続するほか、発射プラットホームとして潜水艦に搭載可能な垂直ミサイル発射システム(VLS)、輸送機搭載システム等を開発・整備することが示された[6]

日本が調達予定のスタンド・オフ・ミサイル一覧[1]

脚注

  1. ^ a b “解説:スタンドオフミサイル(敵の対空ミサイルの射程外から攻撃する)(JSF) - 個人”. Yahoo!ニュース. 2023年4月15日閲覧。
  2. ^ “防衛省・自衛隊|令和3年版防衛白書|<解説>スタンド・オフ防衛能力の強化”. www.clearing.mod.go.jp. 2023年4月15日閲覧。
  3. ^ “日本が持てる/持てない兵器の境界線は? 専守防衛と「スタンド・オフ・ミサイル」”. 乗りものニュース. 2023年4月15日閲覧。
  4. ^ a b “国産の長射程巡航ミサイル開発、政府が正式表明…射程約1000km”. 読売新聞オンライン (2020年12月18日). 2023年4月15日閲覧。
  5. ^ “衆議院議員宮川伸君提出長距離巡航ミサイルに関する再質問に対する答弁書”. www.shugiin.go.jp. 2023年4月15日閲覧。
  6. ^ a b “防衛力整備計画について”. 防衛省・自衛隊. 2023年4月15日閲覧。
  7. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2023年4月11日). “潜水艦発射型誘導弾、三菱重工と開発契約 防衛省発表”. 産経ニュース. 2023年4月15日閲覧。