エッダ

曖昧さ回避 エッダ」のその他の用法については「エッダ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

エッダ (Edda) は、北欧神話の初期(ヴァイキング時代)の形態を伝える文書群である。エッダと呼ばれる文書には『スノッリのエッダ』と『古エッダ』の2つがある[1][2]。『スノッリのエッダ』はアイスランド詩人スノッリ・ストゥルルソンが1220年頃に著した書物である。『古エッダ』は1643年に発見された古写本王の写本』に記されていた古歌謡集(集)である。個々の詩の成立は9世紀から13世紀[1]、編纂は1270年以前[3]とみられている。現代の刊本では他の写本などに残されていた同形態の詩(小エッダ)を加えて『古エッダ』として刊行されていることが多い[1][2][4]

スノッリのエッダ

詳細は「スノッリのエッダ」を参照

アイスランド詩人スノッリ・ストゥルルソンが1220年頃にの教本『エッダ』を著した。サガと並び北欧神話研究における重要な資料の一つとされている。

本来「エッダ」といえばこれを指すが、古エッダ(および小エッダ)も「エッダ」と呼ばれるようになったため、それらと区別するために特にスノッリのエッダ (Snorri’s Edda)、新エッダ (Younger Edda)、散文のエッダ (Prose Edda) などと呼ばれることもある。

古エッダ

詳細は「古エッダ」を参照

1643年ブリュニョールヴル・スヴェインスソンが、のちに古エッダと呼ばれる歌謡)集が記された写本『王の写本』を発見した。

スノッリのエッダに引用されていた詩や、同じ内容を物語る詩が多く含まれていたため、スノッリのエッダの元になった本だと考えられ古エッダ (Elder Edda) と呼ばれるようになったが、実際は1270年頃に編纂されたものだと考えられている。またスノッリのエッダに対して詩のエッダ (Poetic Edda) と呼ばれることもある。

ブリュニョールヴルはこれをセームンドル・シグフースソンの手によるものと考えていたため、それに倣いセームンドルのエッダ (Sæmundar Edda) と呼ばれていたこともあったが、このセームンドルが作者であるという説は現在では否定されている。

小エッダ

AM 748 I 4to』『フラート島本』『ヴォルム写本』など『王の写本』以外の写本や、『スノッリのエッダ』、サガなどの中に、古エッダの中の詩と同じ形式の詩(エッダ詩)が残されていた。これらは小エッダと呼ばれ、多くは古エッダに含めて語られる。

脚注

  1. ^ a b c 谷口幸男. “エッダ”. 日本大百科全書(ニッポニカ) (小学館). https://kotobank.jp/word/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%80-36811 2022年2月5日閲覧。. 
  2. ^ a b “エッダ”. 世界大百科事典 第2版 (平凡社). https://kotobank.jp/word/%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%80-36811 2022年2月5日閲覧。. 
  3. ^ 谷口 1973, p. 285.
  4. ^ 谷口 1973, pp. 285–286.

参考文献

関連項目

英語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。
エッダの英語訳
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