こうのとり4号機

こうのとり4号機
ISSから撮影したこうのとり4号機
種類 宇宙ステーション補給機
所属 日本の旗JAXA
宇宙ステーション 国際宇宙ステーション
ステーションメンバー 第36次
主契約者 JAXA
三菱重工業
ロケット H-IIB
射場 種子島宇宙センター
吉信射点第2射点(英語版)
打上げ日 2013年8月4日
4:48:46 JST[1]
軌道
種類 LEO
軌道傾斜角 51.6°

こうのとり4号機(こうのとり4ごうき、HTV4)は、4番目の宇宙ステーション補給機国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資を搭載し、2013年8月4日にH-IIBロケット4号機によって打ち上げられた[1][2]

特徴

日本宇宙ステーション補給機の4号機であり、シリーズの同型機である。こうのとり3号機に続く、3機目の運用機。3号機までの打ち上げは主にJAXAが担当していたが、4号機からは製造元の三菱重工業に移管された[2]

こうのとり3号機(HTV3)からの主な変更点は以下の様なものであった。

  • 表面電位センサ(ATOTIE-mini)を初設置「こうのとり」を活用した技術の蓄積
    • ISS係留前後の「こうのとり」表面電位変化、「こうのとり」表面電位の船外活動等への影響有無を調べるためのデータ取得
    • JAXAが開発した表面電位センサの宇宙軌道上での実証
  • 3号機に引き続き、利用のための利便性を改善
    • レイトアクセス(打上げ間近でも可能な物資の最終搭載機会)量の増加
    • 保冷ボックスの搭載など
  • 不要となった船外物資を非与圧部に搭載して搬出

物資

こうのとり4号機の補給キャリア与圧部。ISSとドッキング直後の8月9日(世界時)に撮影されたもので、宇宙飛行士のルカ・パルミターノ(英語版)が空気環境の検査を行っている。

こうのとり4号機は、補給キャリアの与圧部に約3.9トン、非与圧部に約1.5トンの物資を搭載していた。船内物資、船外物資を含めて合計で約5.4トンの物資をISSに運ぶ。

与圧部

与圧部の物資は、おおよそ宇宙システムコンポーネントが55%、食料が12%、科学実験材料が8%、クルー用物資8%、水17%であった。

  • 「きぼう」日本実験棟で実施される実験サンプル
  • 「きぼう」搭載用ポータブル冷凍・冷蔵庫(FROST)
  • 「きぼう」輸送用ポータブル保冷ボックス(ICE Box)
  • 超高感度4Kカメラ
  • 再突入データ収集装置 日本のi-Ball
  • きぼうから放出する超小型衛星CubeSat 4機(PicoDragon(共同)、ArduSat-1・ArduSat-X、TechEdSat-3()を運搬
  • 補給物資 (搭乗員用食料・衣服・保全品等)
  • キロボ(対話ロボット)

非与圧部

非与圧部には、ISS船外のシステム補用品とNASAの実験装置を運搬。

  • 電力系統切替装置(Main Bus Switchnig Unit: MBSU)
  • 電力・通信インターフェース機器(Utility Transfer Assembly: UTA)
  • 複数の実験装置を混載した米国の実験ペイロードSTP-H4 (Space Test Program - Houston 4)

また、ISSからの離脱時には廃棄する実験ペイロード(STP-H3)を初めて搭載した。

運用

  • 8月4日午前4時48分(日本時間)、H-IIBロケット(H-IIB・F4)を種子島宇宙センターから打上げ[2]。打ち上げ後14分59秒後にロケットより正常に分離[1]
  • 8月9日午後8時22分(日本時間)にISSのロボットアームにより捕捉[3]
  • 8月10日午前3時38分(日本時間)にISSとの結合を完了[3]
  • 9月3日午後11時35分(日本時間)に与圧部ハッチを閉鎖。
  • 9月5日午前1時20分(日本時間)にロボットアームから放出、離脱のためスラスタ噴射。
  • 9月7日午後3時37分頃(日本時間)に大気圏へ再突入[4]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c “H-IIB ロケット4号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)の打上げ結果について”. 三菱重工業・宇宙航空研究開発機構. (2013年8月4日). https://www.jaxa.jp/press/2013/08/20130804_h2bf4_j.html 2013年8月11日閲覧。 
  2. ^ a b c “H2Bロケット打ち上げ成功…こうのとり軌道に”. 読売新聞. (2013年8月4日). https://web.archive.org/web/20130807100307/http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130804-OYT1T00146.htm 2013年8月11日閲覧。 [リンク切れ]
  3. ^ a b “宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)の国際宇宙ステーションとの結合について”. 宇宙航空研究開発機構. (2013年8月10日). https://www.jaxa.jp/press/2013/08/20130810_kounotori4_j.html 2013年8月11日閲覧。 
  4. ^ 「こうのとり」4号機は大気圏に再突入し、ミッションを完了 JAXA

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、こうのとり4号機に関連するカテゴリがあります。
  • こうのとり4号機特設サイト - JAXA
  • 「こうのとり」4号機(HTV4)ミッション - JAXA
  • HTV4ミッションプレスキット -JAXA
概要
構成要素
  • ザーリャ(基本機能モジュール)(FGB)
  • ズヴェズダ(サービスモジュール)
  • ユニティ(ノード1)
  • ハーモニー(ノード2)
  • トランクウィリティー(ノード3)
  • デスティニー(実験用)(USLab)
  • コロンバス(実験用)
  • きぼう (PM, ELM-PS, EF)
  • クエスト(エアロック)
  • ラスヴェット (MRM 1)
  • ポイスク (MRM 2)
  • レオナルド (PMM)
  • キューポラ
  • 統合トラス構造 (ITS)
  • ナウカ(多目的実験モジュール)(MLM)
  • 欧州ロボットアーム (ERA)
  • プリチャル
支援機材
  • カナダアーム2 (MSS/SSRMS)
  • デクスター (SPDM)
  • ストレラ・クレーン
  • きぼう(ロボットアーム)
  • 船外保管プラットフォーム (ESP)
  • エクスプレス補給キャリア (ELC)
  • 与圧結合アダプタ (PMA)
  • 電気系統(英語版)
  • 生命維持システム
複数回使用
  • 多目的補給モジュール (MPLMs)
  • きぼう (ELM-ES)
  • ピアース(エアロック / ドッキングモジュール)(DC-1)
キャンセル
  • 推進モジュール
  • セントリフュージ実験モジュール (CAM)
  • 居住モジュール
  • 乗員帰還機 (CRV/ACRV)
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